AWS Migration Hub と AWS Migration Service は、AWS の移行プロセスを支援するための異なるツールで、それぞれの役割と用途が異なります。
AWS Migration Hub
- 概要:
AWS Migration Hub は、クラウド移行プロジェクトを統一的に管理・可視化するためのツールです。複数の移行ツールを使用しても、進捗を一元管理できます。 - 用途:
- 複数の移行ツールを使用しているプロジェクトで、移行状況の全体像を把握。
- 移行プロジェクトの可視化とトラッキング。
- アプリケーション単位での移行管理。
- 主な機能:
- 進捗の可視化:
サーバーやアプリケーション単位での移行状況を確認可能。 - サポートするツール:
CloudEndure Migration、AWS Application Migration Service (AWS MGN)、AWS Database Migration Service (AWS DMS) などの移行ツールと連携。 - 移行後のレポート作成:
プロジェクト全体の進捗を監視し、移行後にレポートを生成。
- 進捗の可視化:
- ユースケース例:
- 大規模なデータセンター移行プロジェクトでの管理。
- AWS に移行する複数のサーバーやアプリケーションの進捗を追跡。
AWS Migration Service
AWS Migration Service は具体的な移行作業を実行するための個別ツール群の総称として使われる場合が多いです。以下に代表的なサービスを挙げます。
1. AWS Application Migration Service (AWS MGN)
- 用途:
オンプレミスの物理サーバーや仮想マシンを AWS にレプリケーションし、最小限のダウンタイムで移行。 - 特徴:
- ほぼリアルタイムのレプリケーション。
- ワークロードをそのまま AWS に移行 (リフト&シフト)。
2. AWS Database Migration Service (AWS DMS)
- 用途:
データベースを AWS に移行するツール。 - 特徴:
- 異なるデータベースエンジン間の移行も可能 (例: Oracle → Amazon RDS)。
- データ移行中にデータベースが稼働し続ける。
3. AWS Server Migration Service (AWS SMS) (旧ツール、AWS MGN への統合推奨)
- 用途:
仮想マシンの移行を簡素化するためのツール。 - 特徴:
- 移行の一括管理。
- 段階的な移行に対応。
違いと使い分け
項目 | AWS Migration Hub | AWS Migration Service (例: MGN, DMS) |
---|---|---|
役割 | 移行プロジェクト全体の管理・可視化 | 移行作業の実行ツール |
主な用途 | 進捗管理、移行状況の可視化 | サーバーやデータベースの移行 |
使用タイミング | 移行プロジェクト全体を管理する際 | 実際の移行作業を実行する際 |
対象 | プロジェクトマネージャーやチーム全体向け | 移行エンジニアや実作業を行う担当者向け |
補足
- AWS Migration Hub を基盤に移行ツールを選択することで、効率的かつ組織的に移行プロセスを進めることが可能です。
- AWS MGN や DMS などのサービスは、具体的なワークロードやデータ移行を担うツールです。
ユースケースの例
- Migration Hub:
「アプリケーション X、Y、Z の移行進捗を確認。X の移行が 80% 完了、Y が 50% 完了。」 - AWS MGN:
「オンプレミスの仮想サーバーを Amazon EC2 に移行。」 - AWS DMS:
「Oracle データベースを Amazon RDS に移行。」