問題 131
あなたは、大規模なグローバル企業のクラウドアーキテクトです。企業は、世界中の複数のデータセンターからデータを収集し、リアルタイムで分析するビッグデータアプリケーションを構築しています。データは、Amazon S3 に保存され、Amazon EMR を使用して処理されます。現在、全てのデータは単一のリージョンに保存されており、データの転送と処理に時間がかかり、パフォーマンスが低下しています。
この問題を解決し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるために、どのようにアーキテクチャを設計しますか?以下の要件を満たすソリューションを提供してください。
- データの保存と処理を複数のリージョンで行う
- データの一貫性と整合性を維持する
- データ転送の遅延を最小限に抑える
解答と解説:
解答: アーキテクチャを改善するために、以下の設計を提案します。
- リージョンごとのデータ保存と処理: 各データセンターからのデータをそれぞれ最寄りのAWSリージョンに保存する。Amazon S3 バケットを各リージョンに作成し、データをローカルに保存します。
- クロスリージョンレプリケーション: 各リージョンのS3バケット間でクロスリージョンレプリケーションを設定し、データの一貫性と整合性を維持します。これにより、全てのデータが最終的に中央のリージョンに集約されます。
- リージョンごとのデータ処理: 各リージョンでAmazon EMR クラスターを設定し、データ処理を分散して行います。これにより、データ転送の遅延が最小限に抑えられ、処理時間が短縮されます。
- 集約と分析: 処理が完了したデータを、中央のリージョンにあるAmazon RedshiftやAmazon Athenaなどの分析サービスで集約し、分析を行います。
解説: この設計により、以下の要件を満たすことができます:
- データの保存と処理を複数のリージョンで行う: 各リージョンでデータをローカルに保存し、処理することで、パフォーマンスを向上させることができます。
- データの一貫性と整合性を維持する: クロスリージョンレプリケーションにより、全てのリージョンでデータの一貫性と整合性を保つことができます。
- データ転送の遅延を最小限に抑える: ローカルリージョンでのデータ保存と処理により、データ転送の遅延を減少させることができます。
問題 132
あなたのクライアントは、金融サービスを提供する企業であり、ミッションクリティカルなアプリケーションをAWS上で運用しています。このアプリケーションは、非常に高い可用性とデータの耐久性を要求します。データはRDS MySQLデータベースに保存されています。クライアントは、現在のシングルリージョンアーキテクチャが、災害時のビジネス継続性に対して脆弱であると懸念しています。
この問題を解決し、アプリケーションの高可用性とデータの耐久性を確保するために、どのようなアーキテクチャを提案しますか?以下の要件を満たすソリューションを提供してください。
- データベースの高可用性を確保する
- データの耐久性を向上させる
- 災害時に迅速にリカバリできる
解答と解説:
解答: アーキテクチャを改善するために、以下の設計を提案します。
- RDS Multi-AZ 配置: RDS MySQLデータベースをマルチAZ配置に変更し、高可用性を確保します。これにより、プライマリデータベースの障害が発生した場合、自動的にスタンバイインスタンスにフェイルオーバーされます。
- クロスリージョンリードレプリカ: セカンダリリージョンにRDS MySQLのリードレプリカを設定します。これにより、データの耐久性を向上させ、災害時のデータリカバリが容易になります。
- 定期的なバックアップとスナップショット: 自動バックアップと手動スナップショットを設定し、定期的にデータのバックアップを取得します。バックアップデータは、クロスリージョンに保存することで、災害時のデータリカバリを迅速に行えます。
- Route 53 を使用したDNSフェイルオーバー: Amazon Route 53 を使用して、プライマリリージョンとセカンダリリージョン間でDNSフェイルオーバーを設定します。これにより、プライマリリージョンがダウンした場合に、セカンダリリージョンにトラフィックをリダイレクトできます。
解説: この設計により、以下の要件を満たすことができます:
- データベースの高可用性を確保する: RDS Multi-AZ 配置により、データベースの高可用性が確保され、障害発生時に自動的にスタンバイインスタンスにフェイルオーバーされます。
- データの耐久性を向上させる: クロスリージョンリードレプリカと定期的なバックアップにより、データの耐久性が向上し、災害時にデータを迅速にリカバリできます。
- 災害時に迅速にリカバリできる: Route 53 を使用したDNSフェイルオーバーにより、プライマリリージョンがダウンした場合に、セカンダリリージョンにトラフィックをリダイレクトし、アプリケーションの可用性を維持します。
問題 133
あるオンライン小売企業は、AWS上で運用しているeコマースアプリケーションの性能が高トラフィック時に低下していると報告しています。アプリケーションは、Amazon EC2 インスタンス、Amazon RDS、Amazon S3 を使用して構築されています。特に、データベースへの負荷が高まり、応答時間が遅くなっていることが問題となっています。
この問題を解決し、アプリケーションの性能を向上させるために、どのようなアーキテクチャの変更を提案しますか?以下の要件を満たすソリューションを提供してください。
- データベースの負荷を軽減する
- アプリケーションのスケーラビリティを向上させる
- データの一貫性を維持する
解答と解説:
解答: アーキテクチャを改善するために、以下の設計を提案します。
- Amazon ElastiCache の導入: データベースへの負荷を軽減するために、Amazon ElastiCache を使用してキャッシングを導入します。頻繁にアクセスされるデータをキャッシュし、データベースクエリの数を減少させます。
- Amazon RDS リードレプリカの設定: 読み取り専用のトラフィックを分散させるために、Amazon RDS のリードレプリカを設定します。これにより、メインデータベースへの負荷を軽減し、読み取り性能を向上させます。
- Amazon EC2 Auto Scaling の利用: アプリケーション層のスケーラビリティを向上させるために、Amazon EC2 Auto Scaling を使用します。これにより、トラフィックの変動に応じてインスタンスを自動的にスケールアウトおよびスケールインできます。
- データの一貫性を維持する: データの一貫性を維持するために、ElastiCache のキャッシュインバリデーション戦略を設定し、データベースの更新時にキャッシュをクリアします。リードレプリカを使用する際には、レプリケーションラグに注意し、アプリケーションが許容できる範囲であることを確認します。
解説: この設計により、以下の要件を満たすことができます:
- データベースの負荷を軽減する: Amazon ElastiCache を使用してデータベースクエリの数を減少させ、リードレプリカを設定することで、データベースへの負荷を分散させます。
- アプリケーションのスケーラビリティを向上させる: Amazon EC2 Auto Scaling により、アプリケーション層を自動的にスケーリングし、トラフィックの変動に対応します。
- データの一貫性を維持する: キャッシュインバリデーション戦略とリードレプリカの適切な管理により、データの一貫性を維持します。





